あらすじ
西暦2025年、二十年にわたり隆盛を誇った伝説的なMMORPG『アヴァロン』が、7月12日をもってサービスを終了すると発表した。
ギルド『アヴァンヘイム』のギルドマスターであるリアンは、最後まで付き合うことを決め、アヴァンヘイム城の玉座の間でサーバーが完全にシャットダウンする瞬間を待っていた。
しかし、最後の一秒が過ぎたその時、奇跡が起こる。彼はシステムによる強制ログアウトをされることなく、それどころかアヴァンヘイムの中に留まっていた。かつては単なるプログラムであったNPCたちが自我に目覚め、デジタルの世界が完全に現実のものとなったのだ。
どうやら彼は、自身がよく読んでいたファンタジー小説の筋書き通り、異世界へと召喚されてしまったらしい。
今度こそ、リアンは己に誓う。もう二度と「敗者」にはならない。この新世界では、「勝者」になるのだ、と。
帝国を築き、世界を掌握する。これこそが、彼の壮大なる征服譚の幕開けである。
――あるいは、目立たずに平穏な生活を送るべきか?