あらすじ
信じた全てに、裏切られた。
平民から宮廷魔術師筆頭へと上り詰めた天才・カイン。彼は婚約者である王女リディアを敬愛し、その未来のために全てを捧げていた。しかし、彼の才能を妬む弟子の卑劣な罠により、王女暗殺未遂という濡れ衣を着せられてしまう。信じていたはずのリディアにさえも見捨てられ、魔力を奪われ追放されたカインは、絶望の淵で新たな力――「深淵魔法」に覚醒する。
復讐のため魔王の軍師となった彼が振るうのは、かつて人々を救った魔法ではなく、王国を焼き尽くす無慈悲な災厄。戦場で再会する、後悔に苛まれる元婚約者。絶望の中で彼を支える、同じ傷を持つ魔族の女性。
これは、英雄が復讐鬼へと堕ち、偽りの世界に鉄槌を下す、壮大なダークファンタジー。
【長めの紹介文】 (作品紹介ページ、詳細なあらすじなど)
英雄は、たった一言で絶望の淵に堕ちた。
「あなたを信じた私が、愚かでした」と――。
アストレア王国史上最年少で宮廷魔術師筆頭となった天才、カイン・アーデルハイド。彼は婚約者である王女リディアと共に、輝かしい未来を歩むはずだった。しかし、彼の「無詠唱魔法」という規格外の才能は、嫉妬の格好の的となる。最も信頼していた弟子の策略により、カインは王女暗殺未遂という大罪をなすりつけられ、全てを奪われた。愛、地位、名誉、そして命とも言える魔力さえも。
絶望の果てに魔族に拾われたカインは、自らの内に眠る真の力――世界の理すら歪める「深淵マナ」に覚醒する。心優しき聖者の面影は消え、彼の魂は復讐の黒い炎に染まった。魔王の軍師として、その恐るべき頭脳と魔法を振るい、かつて忠誠を誓った祖国へと牙を剥く。
一方、カインを断罪してしまった王女リディアは、事件の裏に隠された真実を知り、後悔と罪悪感に苛まれる。彼女は自らの過ちを贖うため、腐敗した王国を内側から正そうと、孤独な戦いを始める。
戦場で再会する、復讐者となった元恋人と、贖罪を誓う王女。
そして、カインの隣には、彼の闇を理解し、その傷に寄り添う新たな伴侶、魔族のシルヴィがいた。
これは単なる復讐の物語ではない。光を失った男が、憎しみの果てに何を見つけるのか。裏切ってしまった女が、いかにして本当の強さを手に入れるのか。それぞれの正義と愛が交錯する、重厚なダークファンタジー叙事詩。あなたの心は、誰の魂と共に在るだろうか。