あらすじ
周囲を緑の山と森に囲まれた小さな村は、唯一 近隣との交流を繋ぐ鉄道の終点。
近代的なビルも無く、携帯電話も通じぬ片田舎。
日に数本通う列車の駅舎は、無人駅に等しい。
そこの駅長であり、車掌であり、改札係でもある老人は、今日も一日の勤務を終えるべく、最終列車の到着を見届ける。
─── 最終といっても、時刻はまだ夕刻なのだが。
いつもなら、この時刻には外出した村人も既に帰村しており、乗降客はいない。
しかしこの日は、珍しくも乗客がいた。
それは明らかに異国の風貌をした一人の男。荷物は小さなトランク一つだけだが、着古したスーツが旅の長さを語っている。
男がここを訪れた目的とは───