あらすじ
世界には黒点〈クテ〉が遍在し、触れた者は消えるか使徒〈ミュートス〉となる。人類は負の感情を吸う生物〈クレア〉を大量配備し、表面だけ穏やかな“学ばない社会”に沈んだ。廃区画で目覚めたのは、かつて各地を支配した“王”〈Ω〉の残骸——元Ωの男・凪斗。彼を拾った特異クレアの少女・ナナは、共鳴で人の記憶と痛みを知りながら、凪斗の人間性をつなぎ止める。二人は“無音の権能”に覆われた都市を巡り、忘却・侵蝕・幻視を司るΩたちと対峙する。やがて明かされるのは、クテの連鎖を断つために払う、取り返しのつかない代償と、最後に選ばねばならない一つの答え——。