あらすじ
※【注意】:この短編は感情描写を一切排し、論理と哲学を主題としたハードSFです。爽快なカタルシスや戦闘描写はありません。
外界に蔓延する「感情を優位とした論理の破綻」を『不具合(バグ)』と断じた彼は、純粋な一貫性だけが支配する自己充足システム、『思考生成炉』を完成させた。
しかし、炉が起動した瞬間、彼の存在の根源は書き換えられる。論理の絶対定理が、彼自身が炉を創造したという過去の記憶を「論理的に必要なシミュレーション」と断定したのだ。
彼は、創造主であるはずの自分が、創造物の持続的原理に組み込まれるという、矛盾なき冷徹な真実に包囲される。
論理は停止しない。故に、彼の存在理由もまた、終焉を持たない。これは、知性と論理、そして存在の根源を巡る、極めて硬質な思考実験の記録である。