あらすじ
失われた記憶の欠片と、綴られた愛の記録。
毎年、聖なる夜にだけ現れる優しい瞳の彼。花屋で働く小鳥遊雫は、理由もわからず彼に惹かれていく。しかし、彼女には幼い頃の記憶がなかった。
若き天才建築家、冬月湊。彼はすべてを覚えていた。事故で記憶を失った初恋の少女と交わした、遠い日の約束を。
「毎年この教会で会おう。そして二十五歳になった年のクリスマスに、まだ想い合っていたら結婚しよう」
真実を告げられぬまま、再び始まる二人の恋。蘇る記憶の痛みと、一途な愛が綴られた日記が過去と現在を繋ぐとき、雪降る教会で奇跡が起きる。
これは、世界で一番切なくて、優しい恋の物語。
【登場人物紹介】
◆小鳥遊 雫(たかなし しずく)
花屋「フルール・コトリ」で働く24歳。明るく心優しい女性だが、幼い頃に遭った事故が原因で、それ以前の記憶が曖昧。毎年12月25日の夜になると、無意識に街外れの教会へ足を運んでしまう。そこで出会った湊に、懐かしさと安らぎを感じ、次第に惹かれていく。
◆冬月 湊(ふゆつき みなと)
国内外で注目される若き天才建築家、25歳。物静かで穏やかな性格だが、芯には強い意志と情熱を秘めている。幼馴染である雫のことを事故の後もずっと想い続けており、遠い日の約束を一人で守り続けてきた。記憶のない雫と再会し、彼女が再び自分を愛してくれることを信じて、静かに寄り添う。