あらすじ
魔王討伐の代償として、「永遠に死ねない呪い」を受けた賢者――加賀見真吾。
気がつくと、そこは異世界ではなく、ゾンビパンデミック後の“現代日本”だった。
世界は崩壊し、感染者が徘徊し、政府はすでに機能を失っている。
一度感染すれば、現代医学では治療不可能。
だが、賢者の“仮再生術《スヌーズ》”だけが、わずかに人々を救う。
感染後24時間以内なら、理性を一時的に取り戻すことができる――
しかし、それは偽りの救い。術が切れれば、また地獄に堕ちる。
真吾は力の大半を封印され、
魔王の呪いが刻む「黒鎖(こくさ)」によって、少しずつ肉体が腐っていく。
それでも、戦えばわずかに封印が解け、失った“人間の感覚”が戻ってくる。
そんな中で出会った一人の女性――白石ユリ。
感染者掃討部隊の生き残りであり、家族を失った現実主義者。
彼女は知らない。
自分の隣にいる男が、かつて異世界で世界を救った賢者であることを。
やがて現代の感染源の奥に、“魔王の残滓”が存在することが判明する。
世界を再び飲み込もうとする呪いの核“ネスト”へ――
人間の理性と、ゾンビの呪い。
魔法と科学。
生と死の狭間で、賢者はもう一度、自分を取り戻すために戦う。