あらすじ
「君は偽りの聖女だ」――。
地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。
しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。
これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。
王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。
【登場人物紹介】
◆エルナ・フォン・アルトハイム
本作の主人公。心優しい伯爵令嬢。神託により聖女に選ばれるが、植物を育てる「育成」の力しか持たなかったため、「偽聖女」として王家や貴族から冷遇される。策略によって辺境に追放されるが、その地で自らの力の真価を発揮し、人々の希望の光となっていく。おっとりしているが、芯は強く、言うべきことははっきりと言う性格。
◆ガイオン・フォン・ヴァイス
北の辺境を治める無骨な騎士団長。「氷壁の騎士」の異名を持つ最強の騎士だが、王都の権力争いを嫌い、自ら辺境の守りを買って出た。口数が少なく不器用で、感情を表に出すのが苦手なクーデレ。エルナのひたむきな姿に惹かれ、彼女を命がけで守り、一途に愛を注ぐ。
◆ソフィア・フォン・ベルク
男爵令嬢。強力な「治癒」魔法を使い、エルナを追い落として「真の聖女」の座に収まる。しかし、その力の正体は、他者の生命力を前借りする呪われた偽りの力だった。嫉妬深く、自己中心的な性格で、エルナを陥れるためなら手段を選ばない。
◆アルフレッド・フォン・クライス
物語が始まる国の王太子。エルナの元婚約者。見た目の華やかさや分かりやすい力にしか価値を見出せず、地味なエルナを蔑み、ソフィアを寵愛する。国の未来よりも自らのプライドを優先する愚かな人物。