あらすじ
目を覚ましたとき、俺は自分の名前も、家族も、過去も覚えていなかった。
覚えているのは――今現在の年齢である8歳より前の記憶が、自分の名前と基本的な知識教育を除いてまるごと失われているという事実だけ。
この世界の生物にはほぼ必ずといっていいほど『能力』が刻まれている。一般的には『魔力』を消費し、人間であればその生物の出せる力の範疇を超えたものとしての追加要素のようなもの。だが俺にはどうやらそれらが備わっていないらしい。
いつの間にやら15歳になり、俺は自分の記憶を取り戻すきっかけを得るため冒険者になることを決意した。
地図を見ながら自分の家から歩いて約2時間、俺は冒険者ギルドの門を叩く。