あらすじ
――俺は茨城県庁の地方公務員だった。
防災、財政、地域振興。泥にまみれて現場を支える、ただの職員。
ソロキャンプ中の閃光と地鳴り――目を覚ますと安政の水戸。
飢饉・疫病・財政崩壊のただ中で、俺は藤田東湖を救い、“未来を知る役人”として登用される。
手元にあるのは iPad/iPhone/ソーラーバッテリー。
地図アプリで水路を設計し、医療書PDFの知識でペニシリンを合成・普及。感染症を一掃する。
全国の藩札はすべて全額償還。
幕府・水戸藩・薩摩藩の膨大な借金を完全返済し、財政を再建。
藩を廃し、地域ごとに統治機構を再編する道州制へ段階移行――
地域が自立して行政と産業を動かす新制度が始まった。
藤田東湖と共に進言した改革で、安政の大獄は回避、井伊直弼は失脚。
徳川斉昭は藩を再興し、慶喜は将軍として統治を続け、孝明天皇は病を克服して東京へ遷都。
篤姫とは政略から始まった縁が、幾多の危機を越えるうちに覚悟の伴侶へと変わっていく。
長州征伐では長州藩を改易し、
下関戦争・薩英戦争は幕府が勝利――莫大な賠償金を教育・産業・医療へ再投資。
日本は欧米と最初から対等条約を結び、列強と並び立つ文明国家へ。
渋沢栄一は資金循環と企業制度を設計し、岩崎弥太郎は物流と商船を統括。
福沢諭吉は民の学びを全国に広め、榎本武揚は北方開発を推し進め、
勝海舟は外交を導き、大村益次郎は兵站・医療・工学を“仕組み”で結ぶ。
西郷隆盛は朝鮮総督として外縁を安定させ、坂本龍馬は暗殺を免れ、新たな海路と交易圏を開く。
新撰組――近藤勇、土方歳三、永倉新八、斎藤一は台湾の治安維持で民政を支え、
沖田総司は日本に残り、結核を克服して天然理心流の指南役として国内警備の柱となる。
そして版図は広がり、確固たる統治へ――
アラスカはロシアから購入され、樺太、台湾、琉球、朝鮮、満州は日本の統治下に置かれる。
内政の“仕組み”と外政の“抑止”が連動する、かつてない近代日本が完成していく。
この世界では、誰も道半ばで倒れない。志は最後まで走り抜く。
剣ではなく、理と仕組みで国を動かす――
これは、倒幕なき維新で日本を作り替える物語。