あらすじ
『没落貴族、荒波の恋』
荒波の声が胸に響く
漆黒の海に、月はひそやかに揺れ
かつての誇りは砂の城のように崩れ
僕はただ、手探りで帆を握る
海翔の影が光の中を走る
潮の香りに混じる、温もり
指先が触れた瞬間
心の鎧が、ひとひらずつ落ちてゆく
嵐に震える夜も
星の瞬きに迷う朝も
二人で呼吸を合わせれば
荒波も優しい歌になる
港町の灯りに包まれ
笑い声が風に溶ける
貴族の名より、漁師の腕より
君の存在だけが、僕を満たす
過去を背負う肩を預け
未来を知らぬ海に漂う
それでも、君といれば
この波も、冷たい風も
恋のうねりに変わる