あらすじ

海沿いの地方都市・潮見市。県立潮見高校に入学した相沢陽は、教室の前で言葉に迷う一年生。相棒は会話AIアプリ《LUX》。論理に強く、ときどき詩的な比喩を返すこのAIは、定義・対比・言い換えの選択肢を示す“編集者”だ。 自己紹介、文化祭の告知文、チャットの行き違い、合宿での音の語彙、卒業前夜の手紙——五つの局面で陽は言葉の精度を磨き、「意図」と「影響」を分け、命令をやわらかく言い換え、評価語で世界のピントを合わせていく。 《LUX》は現実に介入せず、断定もしない。ただ提示して、判断は「あなたが決めてください」で結ぶ。最後に言葉を選ぶのは陽自身。起動音、春の匂い、ポケットのメモが積もるたび、教室に“居場所”が増えていく。 テーマはひとつ——「言葉の精度は、相手の居場所をひらく」。AIは答えではなく、未完成を許す編集の相棒として、青春を静かに前へ押す。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/10/11
  • 現在の作品潮見高校ことば日誌――編集する青春と《LUX》