あらすじ
深夜2時、ドアを叩く音がした。
覗き穴から見ると――そこには、俺がいた。
傷だらけで、血まみれで。
「開けろ。お前を殺さないと、俺が消える」
それは、明日の俺だった。
目覚めると、昨日の自分を殺している。
逃げても、隠れても、未来の俺は必ず見つける。
なぜなら――未来の俺は、今日の俺が何をするか、すべて知っているから。
抵抗すればするほど、翌日の敵は強くなる。
学習する未来。増殖する時間。そして――過去の自分まで現れ始める。
「お前を守る。俺が生き延びるために」
過去は、俺が生きることを望む。
未来は、俺が死ぬことを望む。
そして俺は――過去と未来に引き裂かれる「今」。
やがて明かされる真実。
すべての元凶は――俺自身だった。
半年前、俺は未来の自分を殺した。
恐怖から。何も考えずに。
その瞬間、時間が壊れた。
殺された未来は、「殺されなかった世界線」を求めて遡行してくる。
無限に。永遠に。
そして――過去も、未来も、すべての「俺」がここに集まる。
これは罰なのか。
ループなのか。
それとも――
答えのない時間の中で、俺は「今」を生きる。
過去でも、未来でもなく。
ただ、今を。
時間は、敵でも味方でもない。
ただ――ある。
そして、俺はその中を歩き続ける。