あらすじ

『71歳レンタルおばあちゃん』

手のひらの皺(しわ)に、
昔の台所の湯気がまだ残っている。

孫のいない膝を、
小さな誰かの涙であたためたい。

「いらっしゃい」
と、今日も知らない玄関を開ける。
見知らぬ子のランドセルの鈴が
遠慮がちに鳴る。

──おばあちゃん、レンタルなの?
──うん、でもね、心は本物。

手をつなぐと、
年齢も契約も、風のようにほどけていく。

夕焼けが畳を染め、
味噌汁の匂いが、見えない家族を呼び寄せる。

ありがとうって言われるたび、
消えかけた灯が、胸の奥でまた灯る。

レンタルの時間が終わっても、
このぬくもりは、返さなくていいんだよ。

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アルファポリス
アルファポリス2025/10/11
  • 現在の作品『71歳レンタルおばあちゃん』