あらすじ
Sランクパーティー《赤き獅子の誓い》に所属する青年、ユウキ。
彼の役職は【鑑定士】。戦闘能力は皆無だが、素材の真価を見抜き、装備の潜在性能を引き出す彼の仕事は、実はパーティーの生命線だった。
しかし――その努力を誰も知らない。
「戦えないお荷物」と罵られ、リーダーの傲慢な剣士アルドレッドによって、ユウキは追放されてしまう。
絶望の中、雨の路地裏で出会ったのは「氷血の公爵令嬢」と呼ばれる少女、セレスティーナ・フォン・アークライト。
冷徹と恐れられるその瞳の奥には、孤独と優しさが隠されていた。
ユウキのスキル【神の天秤】は、彼女の“真の本質”を鑑定してしまう。
《隠された本質:誰よりも優しく、温かい心を持つ少女》
初めて自分を恐れない人間に出会ったセレスティーナ。
そして、自らのスキルの本当の力――「物の潜在能力を極限まで引き出し、新たな概念を創造する」――に気づいたユウキ。
二人は、誰も踏破したことのないSランクダンジョン《奈落の揺り籠》の最下層へと旅立つ。
そこは、絶望と危険が支配する世界の“最果て”――だが、二人にとっては安らぎの地でもあった。
ユウキの鑑定で得た素材は唯一無二のアーティファクトに変わり、
セレスティーナの魔法がその場を幻想的な楽園へと変えていく。
「君の“価値”は、誰かの評価で決まるものじゃない」
「……そんなふうに言われたの、はじめてです」
やがて二人は、世界の常識を覆す“最強の楽園”を築き上げていく。
そしてその頃、ユウキを追放した《赤き獅子の誓い》は、装備の劣化と謎の不運に見舞われ、自分たちが失った「唯一無二の支援者」の存在に、ようやく気づくことになる――。