あらすじ
乙女ゲーム『永遠の愛の鐘が鳴る時』の悪役令嬢エリアーナに転生した私。ヒロインをいじめた罪で、王太子から婚約破棄と国外追放を言い渡される。――これで自由の身!田舎で静かに暮らそう。
そう、思っていたのに。
追放先の古びた領地で私を待っていたのは、平穏ではなかった。壁から聞こえる囁き声、姿見に映る「何か」、正気を失っていく使用人たち。ヒロイン・リリアの「聖なる力」が、人々を幸福な幻覚の中で蝕む「呪い」だと気づいた時、物語はゲームのシナリオを外れ、逃げ場のないホラーへと変貌する。
これは、甘い恋物語の皮を被った悪夢の記録。狂った世界の真相を暴き、生き延びるため、私はたった一人で立ち向かう。
【登場人物紹介】
◆エリアーナ・ヴァロワ(主人公)
ヴァロワ公爵家の令嬢。20歳。乙女ゲームの悪役令嬢に転生した、元日本の会社員。シナリオ通りに断罪され辺境へ追放されるが、世界の歪みに気づき、恐怖と狂気に立ち向かう。精神的にタフで、優れた観察眼を持つ。
◆リリア(物語のヒロイン/恐怖の根源)
男爵家出身の「聖女」。17歳。可憐で健気な少女を演じる、名状しがたい寄生存在の器。人々の信仰心を糧とし、その「聖なる力」は対象の魂を喰らう呪いである。
◆セオドア・アステリア(王太子)
アステリア王国の王太子。21歳。リリアの呪いによって正常な判断力を失い、エリアーナを断罪する。彼の感情は、リリアによって増幅された偽りのもの。
◆ジュリアン・ダヴェンポート(公爵子息/協力者)
魔法研究に没頭するクールなインテリ。22歳。ゲームの攻略対象の一人。特殊な体質によりリリアの呪いの影響を受けにくく、王都の異常にいち早く気づいていた。エリアーナの唯一の協力者となる。