あらすじ
時計塔の針が止まった日から、街の時間が乱れ始めた。高校生の咲良は理科室で止まったオルゴール人形を眺めるうち、すべての機械仕掛けの玩具が沈黙していく異変に気づく。原因を突き止めようと時計塔に入った彼女は、ゼンマイを胸に持つ少年アルカナと出会う。
彼はこの街の“時計守”であり、彼の力が弱まったことで時間が狂っているという。咲良はアルカナの頼みで彼のゼンマイを巻き、街に再び時間を取り戻すが、それは一時的な修復にすぎなかった。
咲良は毎日塔を訪れ、次第にアルカナに惹かれていく。機械でありながら心を持つ彼もまた咲良に恋をし、二人の間に淡い想いが芽生える。だがアルカナの機構は限界を迎え、彼は「自分が消えた後、咲良が新しい時計守になってほしい」と願う。彼の死を乗り越えた咲良は、街を救うため自ら時間の源泉に触れ、胸に小さなゼンマイを宿した半機械の存在となる。
一年後、咲良は時計修理師として働きながら街の時間を守っていた。彼女の手によって直された機械たちは再び命を宿し、人々の暮らしに穏やかな時を戻す。そんな彼女のもとに、隣町の時計守クロノスが訪れ、二人は協力して時の調和を保つようになる。互いのゼンマイが共鳴し、やがて二人は心を通わせ合う。かつてのアルカナの想いに導かれ、咲良とクロノスは「永遠の時を共に刻む」ことを誓い、機械仕掛けの青春は愛と共に永遠へと続いていく。