あらすじ
高校二年生のユウは、授業中に教室の時計が逆回転し始めたことに気づく。周囲は誰も異変に気づかず、ただ一人、机の中の人形だけが彼に話しかけてきた。名をクロノスと名乗るその人形は、「世界の時間軸に亀裂が生じ、崩壊が始まっている」と告げる。現実の時間が逆行し、空も太陽も過去へと巻き戻る中、クロノスはユウこそが唯一時間の異常を感知できる存在だと明かす。
二人は亀裂の中心である校舎の時計塔へ向かい、そこに“逆行世界”のユウが存在することを知る。時間が完全に融合すれば、この世界そのものが消滅すると聞き、ユウは異常を修復する旅に出ることを決意する。やがてクロノスは、ユウが「時間の子」―時間の歪みの中で生まれ、人間として育てられた存在―である真実を告げる。
世界を救うには、彼が「時間の中心核」へ進み、時間の意思を正さねばならない。人間としての存在を失う危険を承知で、ユウは過去の記憶に誘惑されながらも、愛する人々の未来を選ぶ。ついに時間の心臓に到達した彼は、自らの命を賭けてその鼓動を正し、宇宙の時間を救う。
すべてが終わった後、ユウは保健室で目を覚ます。時間は正常に戻り、日常が再び流れ始めていた。手には時間の心臓に触れた跡が残り、クロノスの人形も彼の元へ戻ってくる。ユウは人として生きながらも、時間の一部として世界を見守る存在になっていた。静かな日常の中で、彼は理解する――「普通の時間」こそ、何よりも尊く、美しいものであると。