あらすじ

「Ryanってダサいよね」 そう言われながらも、たった一人で彼らを応援し続けていた“私”。 電車の中で、偶然出会ったおばさまたちに推しの動画を見せたところ、思いがけず「なにこれ、すごくいいわ!」と絶賛される。 その瞬間、私は悟った。 Ryanが刺さらないのは“若者向けじゃない”からじゃない。“見せる相手”を間違えてたんだ。 私はSNS投稿ではなく、実際に「おばさまたちが集う場所」で布教することを決意する。 そして思いついたのが──銭湯。 地域密着で常連さんも多く、おばさまたちの憩いの場。 「銭湯でライブをさせてもらえませんか?」 事務所の力なんて関係ない。私は自分で交渉した。 当日。湯気の立ちこめる中、Ryanのトンチキソングが流れる。 タオルを肩にかけたおばさまたちが手拍子を始め、曲のサビで一緒に踊り出す。 “ダサかわいい”を“懐かしくて愛しい”に変える瞬間だった。 その様子がたまたまSNSに上がり、「令和のマッチ現象」として大バズり。 Ryanはテレビ出演が決定。 番組では「人気のきっかけは一人のファンの行動でした」と紹介され、VTRに映る私。 『こんな形で人気が出て、彼らが本当に嬉しいのか不安で…。迷惑じゃなかったらいいんですけど』 そのコメントに、Ryanのメンバーが笑って答える。 「迷惑なんかじゃないよ。ありがとう」 あの日、銭湯で生まれた奇跡のような熱気。 それが、Ryanと“私”の新しいスタートだった。

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カクヨム
カクヨム2025/10/10
  • 現在の作品推しを銭湯アイドルにしたら爆売れしちゃいました