あらすじ
蒼い夜空の下、教室の窓から「私」と蒼太は屋上で星座を縫い合わせるテディベアの姿を目撃する。それは巨大な針と白い糸で星々をつないで夜空に模様を描く、不思議なぬいぐるみだった。ふたり以外にはその存在は見えない。星の配置が微妙に変化し、現実の綻びが静かに広がり始めていた。
放課後に屋上へ向かったふたりは、テディベア「パッチ」と対面する。パッチは時空の修理工であり、現実のほころびを縫い合わせているのだが、最近、綻びが多発し修理が追い付かないという。ふたりは「境界感知者」と呼ばれ、壊れゆく現実を見抜ける特別な存在だった。
境界の修理を手伝ううちに、彼ら自身が時空の狭間で生まれた「境界児」であることを知る。修理が進むにつれ無数の小さな綻びが現れ、事態は悪化。真の原因を探るため、パッチとともに世界の「源流」へ向かい、現実を織り続ける孤独な少女リリィと出会う。彼女の涙が綻びの源だった。リリィの孤独を癒し、彼女と手を取り合いながらふたりは現実を織り直していく。
やがて世界は穏やかさを取り戻し、蒼太と私、パッチとリリィの新しい絆と役割が生まれる。星々が輝く夜、「おかえりなさい」の言葉と共に、現実を織る日々が静かに始まる。