あらすじ
■あらすじ■
ルヴァルディア王国に所属する闇の精霊魔法士のゼノ・ランツァは、人生の終わりに直面していた。年齢は二三六歳と高齢だが、強すぎる魔力の影響でその容姿は二十代前半に見える。国全体でもずば抜けて長寿であり、一人研究室に籠もって生活しているため、周囲からはほとんど歴史上の人物のような扱いを受けていた。
精霊魔法士の最後は、人としての記憶や知識を全て無くして精霊になるか、死という名の消滅かどちらかを選ぶことになる。
知識や記憶を失ってまでこの世に存在したくないゼノは死を選びたがったが、国が貴重な闇の魔法士を失うことを許さず、治療を受けることになってしまう。
治療の方法は、闇に偏りすぎた身体に光の魔力を送るというもの。そのために派遣されたのが、まだ二十七歳のリエト・アルジェントだった。
ただ、治療対象が大魔法士のゼノだとバレると大事になる為、偽名を名乗り、正体を隠したまま治療を進めることになる。
数十年以上、人を遠ざけて一人で過ごしてきたゼノ。
若いが強力な魔力を持ち、口数は少ないながらも面倒見の良いリエト。
治療の為に手を握るところから始まった二人の関係は、論文について語り合ったり、仕事を手伝ったりしていく中で少しずつ深まっていく。
幼い頃に差別された過去や、長い人生の中で何度も別れを経験してきたゼノは「治療の間だけ」と自分自身に釘を刺しながらも、確かにリエトに惹かれていった。
そんな中、国内で夜の時間が少しずつ長くなっているという異変が起こる。
異変の原因を突き止めるために一人で黙って王都を離れるゼノ。闇の魔力の暴走を止めるため一瞬死を覚悟するがどうにか暴走を止めることに成功する。リエトをはじめとする光の魔法士達が駆け付けた時には事態は終息していた。
しかしその時、ゼノの正体がついにリエトに明らかになってしまう。
リエトはゼノが幼い頃に憧れた偉大な魔法士であったことを知り葛藤するが、それでも「ゼノに死んで欲しくない」という気持ちに変わりはなく、彼を想う気持ちにも変化はない。
リエトはゼノの元を訪れ自身の気持ちを告げる。しかし、人との繋がりを避け、更にはリエトに嘘をつき続けてきたゼノは明確な答えを返すことが出来なかった。
「治療」という建前のもと、一夜の行為を承諾したゼノ。その後も通常の治療は続き、その甲斐あってゼノの体調は回復に向かっていく。
その頃、ずれてしまった昼夜の時間を元に戻す儀式が行われることになった。光の魔法士と闇の魔法士が手を取り合い行うこの儀式を経験したことがあるのは国の中でゼノだけ。光の魔法士の中には闇の魔法士を嫌い、差別する者もいる。しかしそんな中でも、ゼノは己のやるべきことを、役割をしっかりと果たすことを決意する。
人との繋がりを再度持つことを決意したゼノは、自身の素直な想いをリエトに告げた。
伝説の闇の魔法士が、若き光の魔法士に愛され、人として再び生きていこうと決意する物語。
※性描写がある14-1話、19-2 話は非公開の予定です。