あらすじ
物語の舞台は、「大収穫」と呼ばれる悪魔の侵攻によって高度な文明が崩壊し、150年の時が流れた未来の日本――『倭国』。
大地は巨大な海峡「竜の裂け目」によって東西に分かたれ、西には天使と自然の力が息づく緑豊かな【聖域】が、東には悪魔がもたらした「支配型科学」が支配する【鋼鉄の廃墟】が広がっています。
西の小さな村に住む心優しき少女サクヤは、ある日、瀕死の幼馴染を救いたいという純粋な祈りによって、万物を癒す『奇跡』の力に目覚めます。
しかし、そのあまりに強大な力の代償は、世界のあらゆる生命が発する『痛み』を、その身に絶えず感じ続けることでした。
一方、東の廃墟を支配する天才科学者リク・クロガネは、かつて非合理によって家族を失った絶望から、苦しみという感情そのものを根絶する完璧な管理社会の完成を目指していました。
彼にとって、感情から生まれるサクヤの奇跡は、自らの論理で解明し、制御すべき最も美しい研究対象に他なりません。
痛みを分かち合い、手を取り合うことで世界を救おうとする少女の『祈り』。
痛みを消し去り、管理することで世界を救おうとする男の『合理』。
これは、世界の終わりに二つの救済が衝突する、魂の物語にございます。