あらすじ
僕を抜き去っていった選手はあまりにも冷酷だった。
僕の走りなんて眼中にないとでも言うように、あっという間に置いて行ってしまった。
その選手の名前は新藤孝樹。
新藤は全国でもトップを走る選手だった。
その新藤が島の高校に進学すると聞きつけた僕は、彼と同じ学校に進学する事を決意した。彼がいたら夢が叶うかもしれないと思って。
僕の夢は全国高校駅伝に出場して都大路を走る事だった。
僕らの県は駅伝が爆裂に弱い。それもあって僕らの島で本気で駅伝をやっている人なんて全然いない。
部員は僕を含めて七名。
僕はその中でも一番遅かった。憧れの新藤に追いつくなんて夢のまた夢だった。それでも諦めずに僕は練習に励んだ。
妹に笑われても、ペットの柴犬に馬鹿にされても、僕はめげずにトレーニングを続ける。
皆に追いつくために。
少しでも新藤の背中に近づくために・・・・。