あらすじ
幽玄・幽世……この世の成らざる世の住人。
それがわし、筆の化生――日和見筆(ひよりみふで)よ。
人の世に紛れる同胞らの元を訪れ、徒然なる出来事を綴るが役目……であったのだがのう。
幽玄の世と人の世を繋ぐ鏡を、ひょんなことで人の世で失くしてしもうた。
鏡が無ければわしの帰郷はままならず、妖力も失せればただの筆となる。
失せもの探しをしておったわしを見かねて、困り眉が妙に目に付く武人の信葉と気勢の良い弟子の琉利と出会った。
人の子と関わる気は無かったのだがの、全くこの二人関わりゆくほどに……不思議と目が離せんのう。