あらすじ

2042年の東京。AIペット開発企業「Animato」に勤める研究者・高槻美咲は、長年の親友である同僚の天才プログラマー・相馬健太に想いを寄せていた。しかし、その気持ちを「非合理的」なものとして心の奥深くにしまい込み、健太に想いを寄せる後輩・篠宮玲奈の恋を応援する「キューピッド役」に徹する。美咲の後押しもあり、健太と玲奈は恋人同士になるが、その矢先、健太が研究室のサーバー室で感電による謎の事故死を遂げる。 最愛の人を失った玲奈は、健太の幻覚を見るほどに心を病んでしまう。「彼が選んだのは私。失恋したのは先輩じゃない」という玲奈の無邪気な言葉に心を抉られながらも、美咲は彼女を救うという大義名分のもと、法と倫理の禁忌を破る決意をする。健太が遺したパーソナルAIの膨大な記憶データを盗み出し、彼と寸分違わぬ「追悼AIホログラム」を秘密裏に開発するのだ。 完成したAI健太との生活で、玲奈は精神的な安定と笑顔を取り戻していく。しかし、美咲はAIの挙動に違和感を覚えていた。AIは時折、レーザーポインターを目で追う、低い姿勢でお尻を振るなど、まるで猫のような不可解な行動を見せるのだ。玲奈も次第にその異常性に気づき、「これは健太くんじゃない」という疑念と依存の間で、再び精神が不安定になっていく。 美咲はAIの異常の原因を突き止めるため、健太が遺したプライベートな研究データを解析する。そこで発見したのは、彼が極秘に進めていた「プロジェクト・ノア」の記録だった。それは、動物の意識をデータ化し、自らの脳とダイレクト接続することで、種族を超えたコミュニケーションを目指すという革新的な研究だった。そして、健太は事故死したあの日、パートナーとしていた野良猫「ノア」と脳を接続する実験を行っていたことが判明する。健太の死は単なる事故ではなく、実験中に何者かに襲われた殺人事件であり、その際に混線したノアの意識が、健太の記憶データと共にAIに記録されてしまったのだ。 AI健太が示す、猫の視点から見た断片的な記憶の映像を頼りに、美咲は彼がノアと会っていた下町の公園にたどり着く。

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エブリスタ
エブリスタ2025/10/08
  • 現在の作品【小説】想いも、意識も、猫だから