あらすじ
古代の日本。
“哭(な)き女”と呼ばれる女たちがいた。
彼女たちは、葬儀の場で涙を捧げる巫女――
その哭き声は、魂を鎮め、祟りを封じる祈りとされた。
けれど、人々はいつしか恐れるようになる。
「哭き女が泣けば、死が訪れる」
「その涙は、神をも揺るがす」
この物語の主人公・沙耶(さや)は、
そんな時代に生まれたひとりの哭き女。
彼女の涙は、死者の声を“聞く”力を宿していた。
――死者が語る真実。
――人が隠す罪。
――そして、涙に込められた祈りの意味。
これは、“哭く”しかなかった女が、
やがて“真実を見届ける者”へと変わっていく長い旅の始まり。
第一話の舞台は、山深き篠葉の里。
婚礼前夜に死んだ花嫁の葬儀で、
沙耶は初めて“死者の声”を聞く。
祟りなのか、それとも――人の罪なのか。
古の闇を裂く、涙のミステリーが幕を開ける。