あらすじ
保育士3年目、初めて幼児クラスの担任になった私は、初のリーダー、そして初めての“男性保育士”とのペアに戸惑っていた。
女子校・女子大育ちで、男子と仕事をすることに慣れていない私は、「新人男子と組むなんて、ハズレじゃん……」と、正直思ってしまっていた。
けれど、日々の中で少しずつ見えてきた彼の子どもとの向き合い方や、ぶっきらぼうだけどまっすぐな性格。
小さなやりとりの積み重ねや、意外な優しさに触れていく中で、私の中の「壁」は少しずつほどけていく。
それはちょうど、子どもたちとの関係が“育って”いくように。
そして、あの運動会のお遊戯曲『ハネウマライダー』がきっかけで、私たちの関係にも静かな変化が訪れた――
最初は「ハズレ」だと思った人事。でも、保育の中で過ごす日々が教えてくれたのは、「誰と組むか」ではなく「どう向き合うか」ということ。
信頼も、関係も、焦らず、時間をかけて育てるもの。
9年後、私たちが結ばれることなど、あの頃の私はまだ知らなかった。
──保育の現場で、ゆっくりと心を通わせていく二人の、ほろ苦く、あたたかな成長ストーリー。