あらすじ
夢とは残酷だ。
楽しいときも、悲しいときも、決してこちらの願い通りにはならない。
それでもなぜか、残酷だとしても、その夢をもう一度見たいと願ってしまう。
あの夏――それが何だったのかは、もう思い出せない。
けれど、確かに心の奥に焼きついているものがある。
どうしても消えてくれない痛み。
夢と現実は、いつの間にか重なり、そして食い違っていく。
やがて、その歪みは世界そのものを蝕みはじめる。
失われていく記憶。
静かに崩れていく日常。
残されたのは、なぜ涙がこぼれるのかも分からない、説明できない感情だけ。
それはきっと、夢が与えた、最も残酷な奇跡の物語。