あらすじ
魔力を持って生まれた王女リゼリアは、魔女と怖れられ、憎まれながら生きてきた。魔力が暴走し、国をも滅ぼしそうになったとき、リゼリアの前に名ばかりの夫、ゼフィリスが現れる。夫婦の仲は冷え切っているはずだったが、彼はリゼリアを見て涙を流す。ゼフィリスは、魔力の暴走が止まらないと知ると、リゼリアを剣で刺し、彼女のあとを追って自害するのだった。
リゼリアは、初めて彼の心に触れ、死の直前に魔力を尽くして過去に遡る。
リゼリアが戻ったのは、魔力を暴走させる三か月前の世界だった。もう二度と、人を魔力で傷つけない。そう誓ったリゼリアは、魔力を封じる。その代償は、三か月後の死だった。リゼリアは決意する。国を荒らす女王と妹を排除し、三か月の間に自らが女王になることを。そして、ゼフィリスに王位を譲り、彼が自由に生きられる未来を創るのだ。
――これは、嫌われ魔女が、夫に自由を捧げるために、自ら死を選ぶ物語――