あらすじ
秋の午後。
風が部屋を抜け、カーテンが膨らむ。
一ヶ月前に逝った家族の気配が、まだこの家には残っている。
九十八歳まで生き、好きなことをして風呂で死んだ“ジジイ”。
それは羨ましいほど潔い死だった。
けれど、残された者には、静けさが重くのしかかる。
遺された家と、風と、名の記憶。
生と死のあわいで、男はもう一度“家族”を見つめ直す。
――49日を前に、まるで本当の別れを告げに来たジジイが、そこに居るようだった。
静かに流れる時間の中に、確かな体温を残す短篇。
初投稿&お試し投稿
2025/10/8 12:00〜13:45 稿了の一発書きです。