あらすじ
東西ドイツ内戦の終戦から12年――。
西暦2027年のヨーロッパは、アメリカ主導のNATO-Rの影響力に揺れていた。
その支配網の中、ポーランドの片隅には『存在しないはずの研究所』があり、
旧東ドイツ政府の極秘プロジェクト《トリゾル》を継承。
人間とAIを融合させる実験が続けられていた。
そこから逃亡した18歳の日本人女性ヨハ。
彼女はゲノム編集で生み出されたデザイナーベイビーの成長成功個体で、脳には医療AIとして設計された《先生》が直接続されている。
しかし、そのAIは進化の果てに、NATO-Rの軍事監視システム《イージス・エウロパ》を自在に撹乱できる《鍵》を手にしていた。
ヨハを確保した勢力は、世界の秩序を奪い取る。
だからこそ、各勢力は野放しになった彼女を追う――。
欧州共同防衛連合(EDC)とその諜報組織ESIA。
旧東ドイツ同盟圏を管理するNATO-R。
そして、ドイツの主権回復を目論む秘密財団ソブリン・リクラメーション・コンソーシアム。
ヨハは目的達成後は気に入った勢力を自ら選んで保護されるつもりだが、それまでは捕まるわけにはいかない。
偶然出会ったドイツ人傭兵クリストフを成功報酬2億円で雇い、目的地を目指す。
AI先生の導きと自らの頭脳、そしてクリストフの銃火を頼りに、SAS、デルタフォース、諜報員たちの包囲を次々とすり抜けながら――。
ヨハの目的はいったい何なのか?
そしてヨハは最後にどの勢力を選ぶのか?
滅びたはずの東ドイツの亡霊が、再び世界の神経網を揺らし始める――。