あらすじ
ダンジョンが出現し、全ての人間がスキルを授かるようになった現代。
S級パーティーの雑用係だった俺、柊 雪斗(ひいらぎゆきと)は、リーダーから全てを奪われ、ダンジョンに置き去りにされた。
「お前に与えられたF級スキル【スキル再販(リセール)】は、ただのゴミだ。お前自身と一緒だよ」
【スキル再販】―――それは、他人のスキルを“買い取り”、“販売”できるだけの、戦闘能力ゼロのハズレスキル。
絶望の中、俺は死ぬ前に一度くらい、この憎きスキルを使ってみようと決意する。偶然通りかかった、引退間際の老探索者に声をかけた。
「あなたのその“使えない”スキル、俺に売ってくれませんか?」
「【石ころ鑑定】か?いいぞ、どうせもういらん。100円でくれてやる」
老探索者からスキルを買い取った瞬間、俺の世界は反転した。
《スキル【石ころ鑑定】を買収。欠陥を修正し、“神眼の真贋鑑定”に進化させました。販売可能です》
――俺のスキルは、ただの仲介屋じゃなかった。
買い取ったスキルの“欠陥”を自動修復し、その“真価”を100%引き出した上で、再販できる唯一無二の神業だったのだ。
俺は笑った。この世界は、才能の無駄遣いをしている愚か者で溢れている。
戦士なのに治癒スキルを持ち腐れている奴。魔術師なのに鍛冶スキルを放置している奴。
お前たちのそのゴミ、俺が最高の値段で買い取って、最高の才能に売りつけてやる。
これは、スキルを支配し、市場を支配し、やがては世界そのものを掌で転がす、一人の商人の物語。