あらすじ

舞台は、明治と昭和の狭間、古き良き時代の面影を残す架空の近代日本――。名門女学校の裏手にひっそりと佇む、埃っぽいけれどどこか神秘的な《植物標本室》。そこに勤める地味で目立たない助手、三条蘭(さんじょう・らん)は、一見するとただの物静かな女性だ。だが彼女は、どんな微細な違いも見逃さず、**どんな毒草も薬草も一瞬で見抜く《天才植物鑑定士》**という、秘められた才能を持っていた。 少女たちの間で囁かれるささやかな怪我、原因不明の不可解な病、そして何よりも静かに、しかし確実に心に蔓延る「心の毒」――。 蘭は、膨大な植物の知識と研ぎ澄まされた観察眼、そして時には香りや色の微細な変化を手がかりに、それらの謎をひとつひとつ、静かに、そして確実に解き明かしていく。彼女の指先が触れる植物は、時に真実を語り、時に傷ついた心を癒す。 しかし、この静謐な標本室と、天才的な能力を持つ蘭には、決して明かしてはならない「過去」があった。そして、その植物標本室の奥深くには、決して“外に出してはならない”禁断の標本が隠されている。 これは、植物と謎が織りなす、静かで美しい青春ミステリ。そして、過去と向き合い、未来へと進む一人の女性の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/07/31
  • 現在の作品喧噪の植物標本室 〜天才植物鑑定士は、少女たちの“心の毒”を解き明かす。ただし彼女の過去と、決して外に出してはならない秘密の標本がある〜