あらすじ

(冒頭) メルエムという存在は、まさに「人間とは何か」という問いを突きつける鏡のような存在だった。 彼は人間ではない。だが、誰よりも人間的な心の進化を遂げて死んでいった。 生物としては頂点に立ち、精神としては最も深く堕ち、そして最後に最も高く昇華した。 その歩みこそ、「生物としての進化」と「精神としての進化」が交差する、冨樫義博の哲学的実験だった。 生まれたときのメルエムは、暴力と支配を当然とする存在だった。 彼の世界には「上下」しかなく、強者は弱者を支配し、弱者は食われる。 これは自然界の法則そのものだ。 力によって秩序を作る。力こそが正義である。 その姿は、人間がかつて作り上げた「国家」や「文明」の根源と同じ構造にある。 ホッブズの『リヴァイアサン』に描かれたように、恐怖による秩序が世界を統べる。 メルエムはまさにその「恐怖の王」であり、完全な支配者として生まれた。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/10/07
  • 現在の作品【メルエム】想像力が人間をつくる――『ハンターハンター』に見る“見えない真実”の哲学