あらすじ
世界中に「ダンジョン」が出現して十年。
人々はスキルに目覚め、富と名声を求めて戦う「ハンター」と、彼らが狩った魔物の死骸を回収する、底辺職の「清掃員」に分かれた。
俺、佐々木晶(ささきあきら)は、病気の妹を養うために清掃員として働く、しがない男。
授かったF級スキル【分解】は、魔物の死骸をただの“燃えるゴミ”と“燃えないゴミ”に分けるだけの、文字通りの無能スキル。
「お前のスキル、効率が悪すぎるんだよ。明日から来なくていい」
ある日、俺は上司からそう告げられ、あっけなくクビになった。
妹の薬代も稼げない。絶望の中、俺は最後の金で買った安物のナイフを手に、ハンターの“おこぼれ”――誰も見向きもしないスライムの死骸に、祈るように【分解】スキルを使った。
すると、俺の脳内に信じられないアナウンスが響く。
《スライムの死骸を分解…“超純水スライムゼリー”を抽出しました》
《鑑定結果:等級SS。万病を癒やすポーションの素材として、市場価格――測定不能》
――俺の【分解】は、ゴミを仕分けるだけのスキルじゃなかった。
あらゆる物質から不純物を極限まで取り除き、その“本質”たる超高純度のレア素材を抽出する、唯一無二の神の御業だったのだ。
これは、社会の底辺でゴミ拾いと蔑まれた俺が、世界中の誰も採集できない神の素材を独占し、生産職として経済の頂点に君臨する物語