あらすじ
大学生活に特別な期待も抱かず、ごく普通に毎日を過ごしていた“俺”。友達は少なく、授業とバイト、そしてたまの一人酒。そんな静かな日常が、ある飲み会をきっかけに少しだけ揺らぎ始める。
大学で数少ない友人に誘われ、重い腰を上げて参加した飲み会。そこには顔見知りもいれば、初対面の人間もいた。大勢の輪の中にうまく入れない“俺”は、ただひたすら酒を飲み、気づけばそのまま眠ってしまっていた——。
それでも翌日、何事もなかったかのようにまた元の日常が戻ってくる。友達が増えるわけでも、何か特別なことが起こるわけでもない。そう思っていた。
だが、ある日、キャンパスで偶然再会したのは、あの飲み会で一緒に酒を酌み交わした“朔弥”という男。ひょうひょうとしていて、誰にでも話しかけるような雰囲気を持つ彼との再会が、平凡だった“俺”の毎日を、少しずつ変えていく。
笑って、迷って、ときに心がぶつかって、それでも誰かと繋がる意味を見つけていく。
——これは、何もなかった大学生活が「何か」になっていく、小さな始まりの物語。