あらすじ
「ユーフェ。魔王を倒して必ず帰ってくる。そのときは俺と結婚してくれ」
そう言ってエントランは旅立った。
魔王を倒す勇者パーティとして。
私は毎日、祈り続けた。エントランが無事に帰ってくるように。
一年後。魔王を倒したエントランは最後に見たときよりも逞しくなって帰ってきた。
いくつもの死線を乗り越えてきた、勲章とも呼べる傷をいくつも残して。
「おかえりなさい、エントラン。無事で何よりよ」
「ユーフェか。相変わらず地味だな」
鼻で笑ったエントランは勇者パーティの仲間でもある、キーナとラスエの肩を抱いていた。
「ふーん。これがエントランのお嫁さん?対して可愛くもないわね」
「絶対に私達のほうがいいお嫁さんになるわ」
「ははは。本当のこと言ってやるな。こんなのでも一応は女なんだからな。それと、訂正しておく。俺がこんな女と結婚するはずがないだろう?」
「何を言って。エント……」
「俺は世界を救った勇者だぞ!!お前みたいな何の取り柄もない地味な女と結婚するはずがないだろ!!」
勇者にはとある特権が与えられる。
妻を一人に選ばなくていい。
あぁ、そうか。エントラン。貴方が勇者になったのは世界のためではなく、自分だけのハーレムを作りたかったからなのね。
いいわ。それならもう……貴方を勇者にするのはやめる。