あらすじ
伯爵令嬢ミリアは、根も葉もないウワサを流しまくり見事に婚約者から王太子を奪い取った。……からの「ザマァ」されたあげく悪役令嬢として辺境に追放されてしまう。
絵に描いたような転落人生。
自業自得である。
ふてくされたまま馬車に揺られて、着いた先は寒々とした貧しい村。頼りの親類は夜逃げしており、住むはずだった城はとっくに廃墟。まっしろになるミリアに、通りすがりの村人が優しく声をかける。
「お嬢さん。住むところがないならうちの馬小屋を使ったらええよ。掃除はしておくけん」
「このイモさ食え。おらが村の特産品じゃ」
「こげな綺麗なおなごは初めて見た。女神様のようじゃなあ」
「ありがたやありがたや」
「なんにもない村じゃけぇ。都会の姫様には退屈じゃろうが、ゆっくりしてけろ」
「……なにもない村、ですって? 冗談じゃないわ」
「ここにはすべてがあるーー私が本当にほしかったすべてのものが!」
かくして、悪役令嬢ミリアは転生前の記憶を生かして村の再興に乗り出した。美しい労働! 額に光る汗! おいしいご飯! やがて豊かになりだした村に悪徳役人が目をつける。
「豊かになったのなら増税だ!!」
「ふ、ふざけんじゃないわよ!!」
悪徳役人の暴虐に、ミリアと村人たちは手に手をとって立ち上がる。とっておきの秘策を用意してーー。
これは、追放された悪役令嬢が辺境の寒村で「真実の愛」を力づくでもぎとるまでの物語。
「ーー私がこの村の……村長に!?」