あらすじ
違う価値観、違う文化、違う“感じ方”。
「分かり合う」というのは、思ったよりも難しいことだった。
人間は表情と声で気持ちを読み、
獣人は匂いと体温で感情を感じ取る。
――ここはフェリシア王国。
かつて獣人だけの国だったこの地は、数年前に人間との国交を結び、
今はゆっくりと“混ざり合う”時代を迎えていた。
けれど王都では、違いを受け入れきれずに
小さなすれ違いや衝突が絶えない。
そんな中、港町ルーミアにひとつの小さなカフェが生まれる。
店の名前は――「Café Nene & Momo」。
猫族の父と人間の母を持つハーフの少女・ねね。
そして、彼女の幼なじみでしっかり者の猫獣人・もも。
ふたりが開いたカフェには、
人も獣人も、種族の違いを気にせず集まってくる。
おいしい紅茶と、優しい香りと、笑顔の音に包まれて。
ある日、音楽が好きな人間の少女・ここが訪れる。
彼女の歌声は、不思議と人と獣人の心をやわらかく溶かしていった。
やがて三人は、
「違うけれど、同じ空の下で生きている」ことを
少しずつ確かめていくようになる。
しかし――王都では、
人と獣人の間の“価値観の違い”が再び大きな波を生もうとしていた。
やがて「Café Nene & Momo」は、
笑顔を届けるだけの店ではなくなる。
香りと音で、人と獣人の心をつなぐために――。
🌸 心がちがっても、想いはひとつ。
風と香りが混ざり合う世界で、
少女たちは“分かり合う”という奇跡を紡いでいく。