あらすじ
若き国王エルネスト・ヴェルディア三世は、己の弱さを痛感していた。
周囲には戦場で無敵を誇る将軍、国を支える有能な宰相、民を救う聖女と、強き者ばかり。
国王である自分は何もできず、ただ玉座に座るだけ――その無力感に日々苛まれていた。
だが、民や臣下は国王の“弱さ”に救われていた。
もし王が強ければ、強力な側近たちは戦を起こし、王国は争乱に飲まれていたかもしれない。
弱き王として“そこに居るだけ”の存在が、国を長く安定させていたのだ。
エルネストは初めて、自分の弱さが国を守る力になっていることを知る。
そして、己の弱さを受け入れた王は、民と共に歩む決意を固める――
強すぎる周囲の英雄たちに守られながらも、王として国を象徴し続けるために。