あらすじ
くのいち・椿は、命令に従い闇に生きる忍。
情を捨て、光を拒み、ただ刃として生きてきた。
だが、任務の夜に出会った敵国の忍・黒鴉との一戦で、
彼女の中に何かが崩れ落ちる。
殺すはずの相手を、殺せなかった。
その夜から、椿の世界は静かに変わり始める。
互いに刃を向け合いながらも、
どこか似た孤独を抱えたふたりは、
いつしか闇の中でひとつの光を探し始める。
忍びとして生きるか、人として死ぬか。
その狭間で選んだのは、命よりも確かな「生きる意志」だった。
――紅椿は、闇に咲く。
流麗な文体と緊張感ある描写で描かれる、
忍びの世界に咲いたひとひらの恋。