あらすじ
これは、一人の誠実な執事が、その手に宿した小さな魔法で多くの運命を変えていく愛の物語。
記憶の片隅に残る菓子作りの知識と、生まれ持った【絶対味覚】。
公爵家の執事シリルは、敬愛する主人エリアスをゲームシナリオの無慈悲な結末から救うために立ち上がった。
彼が作るスイーツは、人の心を解きほぐし、誤解の氷を溶かす不思議な力を持っている。
しかし、その優しい魔法は予期せぬ人物の心までも捉えてしまう。
甘いものを嫌うと噂の、隣国の冷徹な王太子アシュレイ。
彼が本当に知らなかったのは、甘さの味か、それとも恋の味か。
夜会での一口が、二人の運命を永遠に結びつける。
忠誠心と恋心の間で揺れるシリルと、初めて知った執着を手放せないアシュレイ。
お菓子が繋ぐ、じれったくてとろけるように甘いボーイズラブ・ファンタジー、ここに開幕!
【登場人物紹介】
◆シリル(主人公・受け)
公爵家の若き執事。前世は志半ばで命を落としたパティシエであり、菓子作りの知識と、味を完璧に再現・分析できる【絶対味覚】のスキルを持つ。心から敬愛する主人エリアスを破滅の運命から救うため、誠心誠意仕える。真面目で献身的だが、自分に向けられる好意には少し鈍感なところがある。
◆アシュレイ(相手・攻め)
隣国の王太子。眉目秀麗、冷静沈着で隙がなく、「氷の王太子」と噂されることも。公務の一環として訪れた夜会で、シリルの作ったスイーツとその味を生み出したシリル自身に強く惹かれていく。甘いものが苦手だと思い込んでいたが、それは本物の美味しさを知らなかっただけ。シリルに対しては、次第に独占欲を見せるようになる。
◆エリアス
シリルが仕える公爵令息。乙女ゲームでは悪役とされるが、実際は不器用で口下手なだけで、領民を思いやる心優しい青年。シリルを単なる使用人ではなく、信頼できる弟のように大切に思っている。シリルの作るお菓子が大好き。