あらすじ
語れば消える――そんな夢のような物語がある。
学校の教室で、放課後の帰り道で、あるいは眠りの底で。
誰かが目にした幻、誰かが耳にした奇譚、そして誰も確かめられない断章たち。
それらは声に出された瞬間、指の隙間から零れ落ちるように消えていく。
けれど、消えるからこそ美しく、忘れるからこそ残り続ける。
この「短編集」は、そんな「錯綜する夜話」をひとつずつ拾い集める試みだ。
奇妙で不思議な出来事と、等身大の青春の感情とが入り混じり、時に交差し、時にすれ違う。
そこで描かれるのは、怪異の形をした孤独であり、友情の姿を借りた謎であり、愛情の影に潜む違和感でもある。
――錯綜するのは、物語だけじゃない。
そこに映し出される心もまた、読者ごとに異なる色を帯びるだろう。