あらすじ

私の主人は他人の心の解らぬ人でした。子爵家当主としてそれが褒められるべきことか貶されるべきことか、それは一概には言えないでしょう。しかしながら結果として子爵のその特徴は、特長ではなく欠点として彼の未来に闇を落としたのです。 その才能と輝かしい未来を疎んだ派閥内貴族の罠に嵌まり、子爵は立場を追われました。子爵の治めていた領地も、甥が新たな男爵として治めることとなりました。 私の新しい主人もまた、ある意味では他人の心が解らぬ方でした。ですが以前お仕えしていた子爵と異なる点は、敵意には敏感であったということでした。陞爵の過程で一部の貴族を刺激してしまった男爵は相手の貴族を苛烈に攻め立て、その不法の証拠を王に突き出したのです。 かかるように優秀な主人に仕えることとなった私ではございますが、男爵にお仕えし始めて間もない頃にある事件がございました。その事件をきっかけに、私の心にある強い確信が生まれたのです。 この男爵は、否、この男爵夫妻は必ずや、王国の柱となるであろうと。 いずれ国を支える家の興りを後世に伝えるため、拙いながらも私が筆を取らせていただいた次第でございます。 順を追って、お伝えしていきましょう。男爵家の、ともすれば王国の未来を大きく変えたあの出来事の始まりは、無視されても何ら違和感のない、ある陳情でございました。 カクヨムにも掲載しています。

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小説を読もう2025/10/04
  • 現在の作品私がお仕えする男爵夫妻は、いたく尊い
  • 最愛