あらすじ
かつて帝国を救った一人の聖女がいた。
地母神の加護を強く受け、人を癒し魔を払う、美しい銀髪の少女。
しかし彼女は突如として力を失い、病いに伏した。
やがて帝国全土が恐怖と絶望に包まれる。
大陸最北端である彼かの地は魔王領に面した死地であるためだ。
ーーそんな最中である。
ニア・ヴァルトールが皇帝の長男として生まれたのは。
聖女の力は“子供達”に受け継がれていたのだ。
彼女と皇帝の間に誕生したのは光り輝く三つ子。
ほどなくして聖女は最期の結界を残して倒れ、帝国の命運は彼らに託された。
ニア、リア、シアと名付けられた彼らは成長とともに聖女の遺児としての片鱗を見せてゆく。
ーーたった一人を除いて。
「ニア……お前には失望した。もう私の前に姿を見せるな」
皇帝、ギア・ヴァルトールの言葉。
父、ギア・ヴァルトールの冷たい目。
どれだけ月日が経とうと忘れもしない。
「はい……かしこまりました。父さ…………陛下」
僕、ニア・ヴァルトールだけは聖女の力を引き継ぐことが出来なかったのである。
聖女の力はおろか、剣と魔法の才も全て。
ーーそう思っていたんだ、あの日までは。
※小説家になろう様にて連載中の作品になります。