あらすじ
この世界では──「人は死んだ瞬間、初めから存在しなかったことになる」。
両親の記憶も、仲間の痕跡も、人々はまるで夢だったかのように忘れ去る。
そんな世界に生まれた少年は、当然のように「父も母も存在しなかった」と信じていた。
けれど、とある町で出会った少女・アイシャは違った。
彼女は亡き両親の思い出を語り、その記憶を大切に抱きしめていたのだ。
やがて主人公は彼女と共に過ごす日々の中で、「死んでも、確かに生きていた」という考え方に惹かれてゆく。
しかし突然の事故が彼女を奪った瞬間、世界は無情に告げる──「彼女は初めから存在しなかった」と。
それでも彼は抗う。
彼女の笑顔を、声を、瞳を、心が覚えている限り。
「死んだ人がいない世界」で、たった一人だけ“死んだ君”を想い続ける彼の旅が始まる。
※残酷な描写は極力抑えていますが、死について書かれた内容です。
※これは短編ですが、もしかしたら続きを書くかもしれません。