あらすじ

落札者が決まったことを告げる音が鳴り響く。歓喜の拍手と落胆の吐息が充満したオークション会場はその熱が冷めぬうちに次の商品が運ばれる。 静かに、希少なガラス細工の如く壇上に運ばれた少女を皆が、好奇を視線を突き刺す。 自分が生きている間に見れたことに喜ぶ者。競り落とした暁には何に使うか悩む者。一体いくらの値になるのか気にする者。会場にいる全ての参加者が、司会の言葉を待つ。 「——ではお次、私たちも初めて扱う事になった大変希少な品物でございます」 誰もが呼吸する事忘れたのだろうか。 そう思わせるほどに、微動だにせずにいる者たちを動かしたのは司会の言葉ではなく、戸が開く音と同時に発せられた宣言だった。 「その子は私が貰う」 誰もが見上げる場所で、誰をも見下ろす者が立っていた。

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カクヨム
カクヨム2025/10/03
  • 現在の作品絶滅危惧種の花嫁