あらすじ
大陸の東の果てに、奇妙な街がある。その名はクラウゼンブルク、荒野の果てに作られた都市。そこはとうの昔に魔術の衰えた世界の中、いまだ唯一魔道士の支配する領域であり、魔法の力がすべての基準となる地――。
全ての始まりは、ある日遠国の女騎士がこの異界へ辿り着いたことだった。すなわち、彼女はある大きな使命を持ってこの都市へとやって来たのだ。故国にとって重大な二人の人物を、何としても連れ戻すという。
そしてそんな異邦人たる彼女を手助けするのは、街の魔道士の一人ロディとその仲間たち。特にロディはよろず屋としても名を知られた凄腕の青年で……。
これは五色の魔道士がそれぞれの地区を支配し、時に激しく争い合っている街の物語。何よりも常に、どこにいても魔法の力が関係してくる。まるでそれがさも当然の常識のように。それから逃れることなど、誰にも決してできるはずもなく。
人間、妖精、獣人、様々な種族が織りなす世界の中。
魔術の調べは、かくてどこまでも高らかと。
――そう、それゆえ必然的に、女騎士たちの探索行も極めて奇々怪々、摩訶不思議なものとなっていったのだから。