あらすじ
目立つことが苦手で、物事を一歩引いて観察するのが癖。そんな平凡な高校生活を望んでいた星野湊(ほしの みなと)の日常は、親友に連れられて訪れた演劇部の部室で一変する。
そこにいたのは、誰もが息をのむほどの演技力を持つ、孤高の天才・月島玲奈(つきしま れいな)。
彼女の独白劇に心を奪われた湊は、演劇の世界に足を踏み入れる。
「その他大勢に舞台は作れない」
玲奈にそう言い放たれた湊が選んだのは、役者ではなく、物語を創る「裏方」の道だった。
協調性ゼロの天才女優、夢を追う親友、個性豊かな部員たち。そして、過去の情熱を失った顧問。
バラバラな彼らを繋ぐため、湊はペンを執る。
これは、地味で平凡な少年が、言葉の力で少女の固く閉ざした心を溶かし、仲間と共にたった一度きりの奇跡の舞台を作り上げるまでの、眩しくて、少しだけ切ない青春の記録。