あらすじ
才能がすべてを決める世界。
生まれながらに与えられる“ギフト”を持たぬ者は、無価値とされ、冷遇される。
ロア・フィルトスは十歳の儀式で「何の才能もない」と告げられ、無才者《ギフト・ルーザー》の烙印を押された。家族からも村からも疎まれ、六年間の冷たい視線と嘲笑の中で育った少年は、ついに居場所を失い、働き口を求めて港町へと歩き出す。胸にあるのは、希望よりも不安ばかりだった。
彼が探すのは、誰かに必要とされる場所。
だが、無才者と呼ばれた少年に、それを見つけることはできるのか。
虚無のような日々に抗うロアの前に現れたのは、薬草の知識を携え、明るさを失わない少女リーネ。彼女との出会いは、少年の運命をわずかに動かし、閉ざされていた未来へ小さな光を差し込む。
才能とは何か。価値とは何か。
無才者の旅は、その答えを探し出す。